沖縄ユタの修行とは?カミダーリって何?知られざる過酷な道のりを徹底解説
沖縄ユタの修行って何をするんですか?
かなり過酷だと聞いたことがありますが、生まれつきの力なのに修行が必要あるんですか??
今日は上記の疑問を解決できる記事にしていきたいと思います☺
この記事では「沖縄ユタ」がどんな人なのかを、ある程度ご理解頂いている方に向けた内容ですので、そもそも沖縄ユタって何?
という方は、先に下記の記事を読んで頂いた方が分かりやすいと思います(^^)
沖縄ユタの怖い話?お祓いや水子供養〜占い以外の仕事が凄まじい
この記事では主に
- 沖縄ユタの修行内容について
- 耐え難い体験「カミダーリ」について
- 沖縄ユタになるには、とにかくお金がかかるということ
- 沖縄ユタになる理由
についてお伝えしてきますので参考にしてみて下さいね☺
それでは行ってみましょう!
沖縄ユタの修行とは?ユタになるまでの流れ
まずは今日の本題である「沖縄ユタの修行内容」についてですが、沖縄ユタの修行内容を理解しやすくするために、まずは沖縄ユタになるまでの大まかな流れを先にお伝えします☺
(※ユタによって個人差がありますので、ここで書くことは一般的な流れだとお考え下さい)
※生まれつき霊力が強いこと(ユタになる素質)
カミダーリは10代で始まる人や30代で始まる人もいて様々です。
中には60代以降ということも。
ちなみに別記事でご紹介してる沖縄ユタ「又吉陽子先生」は37歳の時にカミダーリに入ったそうです。
※カミダーリについてはこの後で詳しく説明しています。
このカミダーリらしき症状がユタになるために起こっているものなのかを最終的に判断するのはユタです。
その判断をしてもらうために複数のユタに見てもらう事を「ヒチアテ」といいます。
というのも、カミダーリだと思ったけど実は違ったということもよくあるのです。
霊的な現象には間違いないけど、カミダーリとは違うということもあるし、言い方が悪くなってしまいますが、カミダーリは、大昔は「ただのキ〇ガイ」と呼ばれてしまうことがあったり、統合失調症と判断されるくらいの酷い状態になることも。(※統合失調症は元々「精神分裂症」という呼び名でした。)
で、本当に精神的な問題の場合もありますので、色々なパターンを考慮しても、本当にカミダーリなのかどうかは霊能力者であるユタの判断が必要になるのです。
ヒチアテにより、ユタになるようにという判断が出た上で、自らユタになる決心をすると本格的に修行を開始します。
カミグトゥ(神事)は先祖や神様に対する供養や拝みに関することの総称みたいなイメージです。
ユタの道に進むと決心し、カミグトゥを開始した時点で「カミダーリ」が少しずつ治まってくる場合が多いです。
ユタの修行として先祖の血筋を正したり、誤ってしっかりと供養できていない祖先がいないかの確認など。
本来であれば一つ一つに名称がありますが、難しくなるのでここでは割愛します。
これらをまとめて「シジタダシ」といいます。
沖縄ユタは修行中に、そのユタにとって生涯関係する自分の守護神(チヂガミ)を探します。
そして、チヂガミを含め、神々からのお知らせに従い、自分の先祖と関りのあった井泉や御嶽、グスクなどの聖地や拝所を回ることを「タキウクシ」といいます。
タキウクシは、初めの頃は先輩ユタが同行することがほとんどで、だんだんと力が付いてくると自分だけで行うようになります。
自分の「チヂガミ」が誰なのかがハッキリとわかり、ユタ自身が修行を通して自らの役目をしっかりと理解し受け入れるとチヂアケ(最終段階)です。
ユタとして人の判断なども含め、仕事を初めても良いと認められると「チョーブ」と呼ばれる帳簿を神様から受け取ることが多く、このチョーブにはそのユタが行う仕事が細かく記録されます。
この時に、自分のチヂガミに生涯仕えるという約束をし、その代わりに判断(鑑定)に使える強い霊力を与えてもらいます。
この霊力は必要のない時には外すなど、自分で調節できるものとなり、同時にカミダーリの症状からも抜け出せるようです。
もちろんこのチョーブは僕たちの目には見えません。
ただ、沖縄ユタというのは本人たちの中ではかなりリアルに神様を見ているし、神様と会話をしています。
そして仕事に必要な道具や、ご褒美なんかもその都度神様から受け取ったりもしているのです。
カミダーリが始まるのも、沖縄ユタの修行期間も人によって異なりますが、おおよそ5年前後かかる人が多いようです。
無事に沖縄ユタになるための修行を終えると、本格的に沖縄ユタとしての仕事をしていくわけですが、ユタにも専門があり、修行中に自分の役割(専門)を認識します。
ここで面白いのが『沖縄ユタとしての初仕事』は自分から探さなくても勝手にやってくるというユタが多いということ。
宣伝も何もしていないのに、いきなりお客さんが訪ねてきて驚くこともあるようですし、事前に神様からハッキリと『相談者を送る』と伝えられるユタもいるのです。
その後も、なんか知らんけどお客さんがちょこちょこやって来たり、気づけば紹介やら何やらで、結局のところは「お客さんが来なくて生活が出来ないからユタをやめる」という事にはならないようになっているようです。
普通に考えれば、余程の有名人でなければ、どんな商売にも宣伝は絶対に必要です。
僕も自営業ですのでよくわかりますが、広告費ほど高いものはありませんし、高い広告費を払ったとしても潰れてしまうお店もたくさんある中で、はじめっから宣伝広告を頑張ることなくして商売が成り立つというのは考えられません(^^;)
その辺を考えると、やっぱ神様っているんだなと思ってしまいます(笑)
沖縄ユタの修行内容をカミダーリと一緒に解説
続いては、もう少し詳しく沖縄ユタの修行内容について説明していきます。
沖縄ユタの修行に直接関わってくる項目は「シジタダシ」と「タキウクシ」になるのですが、そもそも「カミダーリ」の時点で相当な辛さだといいますので、ある意味、カミダーリの過酷さに耐える事も修行の一環だと考えた方が良いのではと思いますね。
ここまでの書き方だと、もしかすると「沖縄ユタの修行ってそこまで大したことなさそうじゃない?」なんて思ってしまう人もいるかもしれませんが、実際はかなり過酷です。
シジタダシ(筋正し)
まずは先祖関係に関する「シジタダシ」ですが、一見大変そうに聞こえないかもしれません。
しかしながら、これはただ単に家系図を辿れば良いというものではありません。
沖縄ユタの場合は、なんと14世紀頃の時代まで遡らなくてはいけないことが多いということですので、これはかなり大変。
家系図で調べられる限界を超えていることが多いので、本来であれば不可能に近いわけです。
そうなると、カミダーリ中に先祖や神様が夢の中に出てきて色々と教えてくるようで、その内容を先輩ユタなどに教えて確認を取りながら進めていくのだとか。
これも相当の疲労だと言いますし、問題点がわかったら、その供養がまた大変だそう。
本来いるはずのお墓に納められていなかったという場合もあったり、場合によっては遺骨を掘り起こして供養することもあるそうです。
タキウクシ
そして、おそらく一般的に沖縄ユタの修行と聞いてイメージするのは、御嶽を含めた拝所をまわる「タキウクシ」だと思います。
タキウクシでは自分や自分の守護神であるチヂガミと関係のある聖地にお祈りに行ったりするわけですが、これは、その都度チヂガミやチヂガミ以外の神様からもお呼びがかかるものです。
日時や場所、回数などはユタによって違いますが、示された日時に供物を持参して、その先祖や神様に合った方法でお祈りをします。
何世代分の先祖がいるということを考えても、呼び出しの数はかなりのもの。
場所に関しても必ずしも近くとは限らないので沖縄県外まで行かなくてはいけないこともある。
…めちゃくちゃ大変です。
この修行中に行う「タキウクシ」は、将来一人前の沖縄ユタになった後に相談者の依頼で「拝み・御願」を行う場合に対して、かなり役に立つ修行だそうです。
ちなみに、シジタダシにしろ、タキウクシにしろ、手順や方法を間違うと、治まってきていた「カミダーリ」がパワーアップして再発…という、とんでもない罰が待っているようで、これは半人前のユタはもちろん、一人前のユタであっても物凄く恐れていることのようです。
沖縄ユタの修行場とは?
一応、補足として、沖縄ユタの修行場についても書いておきます。
沖縄本島にある
- 森川公園
- 大山貝塚
- SSS(スリーエス)
など、沖縄ユタの修行場所として巷では有名な場所もありますが、実際はそんなことはありません。
上記の3か所を含め、霊的なエネルギーが強いスポットというのは色々とありますが、上述した通りで書、沖縄ユタの修行は神様の呼び出しによって行く場所を指定されることが多いです。
指定場所はチヂガミによっても違いますので、上記の3か所が特に多く指定されるという事はないということです。
もちろんユタが修行のために行くこともありますが、これら以外にも拝所を含め、様々な場所へ修行に行くという事ですね。
カミダーリ | 過酷すぎるその内容とは?
沖縄ユタになる過程で、ほとんどの人が体験するといわれている「カミダーリ」。
カミダーリとは「神祟り」という言葉が元になっているくらいで、かなり過酷な霊的現象のことです。
カミダーリも人によって細かい違いはあると言われていますが、大体の場合は
- 幻覚・幻聴
- 原因不明の体調不良
- 精神異常
- 自殺願望
- 身近な人との別れ(離婚や死別など)
これらに当てはまることが多いとされています。
見ただけでもゾッとしますね。
自分では全く覚えていない無意識状態の時に半狂乱で叫んだり、踊ってみたり、いきなり泣き出したかと思うと大笑いしたりということもあるため、既にお伝えした通り、昔は精神病患者と思われることが多かったわけです。
肉体的には、頭痛・吐き気・動悸に加え、原因不明の腰痛や関節痛が続くとか、全然食べられなくなってやせ細っていくということも多いです。
この症状がカミダーリだった場合は、何件病院に行ったところではっきりとした原因はわからないですし、もちろん治療法もわかりません。
沖縄ユタの多くは、こんな過酷なカミダーリに耐えながら、修行をしてユタになっているということですね。
沖縄ユタの修行はとにかくお金もかかる
カミダーリを含めて、一人前の沖縄ユタになるためには、肉体的にも精神的にもかなり過酷な修行が必要なわけですが、負担はそれだけでは終わりません。
実は、金銭面もけっこうな負担になるのです。
沖縄ユタになるまでの流れを思い出してみてほしいのですが
まず、本当にユタになる素質があるのかを見極めてもらう為に、複数のユタの元に行く「ヒチアテ」ですが、ユタに視てもらうわけですから当然ながらお金がかかります。
正確な判断をしてもらうために複数のユタのところに行く必要がありますし、一人のユタの所に何度か行くことも考えるとそれなりに費用がかかりますね。
続いては「シジタダシ」です。
これも、とてもじゃないですが一人ではできません。
手伝ってもらうためにはお金がかかります。
先祖供養はもちろんのこと、遠方まで行かなくてはならないとなればその費用も必要です。
「タキウクシ」も同様。
呼び出された場所までの移動費、場合によっては宿泊費、供養やお祈りに必要な供物などに加え、同行してもらうユタに支払うお金も必要です。
こんな言い方はおかしいかもしれませんが
沖縄ユタになるためには、沖縄ユタにお金をかけることになるのです。
あとは、忘れちゃいけないのが時間。
お分かりの通り、時間も相当奪われます。
このように、沖縄ユタになるためには体力と精神力だけでなく、莫大な時間とお金も必要となり、とにかく負担だらけなのです。
そこまでして沖縄ユタになる必要はあるのか?
ここまで読んで頂いて、沖縄ユタの修行がいかに大変なのかがわかって頂けたでしょうか?
改めて考えてみるとわかってもらえると思いますが、ユタの素質がありユタになるべき人と言っても、生活的には僕たちと同じ一般人。
という事は、その人にはその人の『日常』があるわけです。
ユタの修行をすることで、その日常が崩れてしまう人がとても多いんですよ。
莫大な時間とお金がかかる可能性が高いので、結婚している場合は離婚に繋がることも非常に多いです。
親子を含め、例え血縁でも家族関係に亀裂が入ることも少なくありません。
カミダーリで相当やられている中で、今まで信頼していた人からですら理解されないという場合も多く、そんな状況に耐えられずに自ら命を絶ってしまう人もいるくらいに残酷な世界。
…そんなことまでして沖縄ユタになる必要ある??
と疑問に感じる方もいるでしょう。
僕も最初はそう思いました。
でも、これにはちゃんと理由があるのです。
そんな大変な思いをしてでも、人の役に立ちたいから。
これが答えだと思いますか?
もちろん、中にはそういう気持ちが強い方もいると思いますが、実際のところはこんなキレイごとではないようです。
単純に、
カミダーリの辛さに耐えられないから。
おそらく、この理由が一番多いでしょう。
- 本当であれば、こんな辛い体験したくないし、霊も見たくない。
- ユタになんてなりたくない。
- やりたくもない修行に時間とお金を使いたくない。
- 平穏に、普通の暮らしがしたい。
こういう方が圧倒的に多いと思います。
でも、ユタになるべくして生まれてきた人の元には、神様から「ユタになりなさい、そのための修行をしなさい」というメッセージが届きます。
そしてそれを無視すると、激しいカミダーリに襲われるのです。
無視し続ければ、収まるどころか更に激しくなり、言ってしまえば強制的に修行に入るという人が多いですね。
「もうわかりました。ユタになりますから許して下さい…。」という心境に近いみたいです。
そして、改めて、自分はユタになる宿命なのだと自分自身に言い聞かせて修行に臨むんだとか。
…なんかもう可哀想ですよね。
選択肢なんて無いようなものですから。
ただ驚くことに、こんな目にあってまで覚悟を決めて修行に入ったのに、最終的にユタにならなかった(なれなかった)という場合もあるんですよ。
カミダーリがあった時点でユタの素質があることは間違いないのですが、修行を行う中で、神様的に「ちょっと違ったかも」みたいになることもあるようで、そうなった場合は強制終了とのこと。
こんなことを言うと神様に怒られそうですが、神様!けっこう勝手っすね!って思ってしまいます(~_~;)
沖縄ユタの修行とは?カミダーリって何?知られざる過酷な道のりを徹底解説 | おわりに
今日の記事では「沖縄ユタの修行」について、詳しい修行内容や沖縄ユタになるまでの流れをお伝えしました。
色々と書きましたが、個人的には細かい修行内容よりも
- 沖縄ユタの修行では、精神的・肉体的な負担の他に、実は金銭面でも大きな負担がかかること。
- だからといって、選択肢はほぼ無く、カミダーリが始まった時点で強制的に受け入れなければいけない試練のようなものであるということ。
この辺を知って頂きたいなと思っています。
常人では耐えられないような厳しい環境を体験してきたからこそ、その経験を生かして困っている人を助けたいという気持ちも大きいのでしょうね。
僕はこれまでに沖縄ユタやユタ家系の霊能者にもたくさんお会いしていますが、皆さん人間ですので性格の違いはあるものの、芯の強さや、根の優しさみたいなものは共通しているように感じます。
と、そんな感じで今日は終わりにしたいと思います☺
ではでは~!